
この記事ではこうした疑問にお答えします。
認知行動療法は対人恐怖症に効果があることが実証されてるので、対人恐怖症で苦しんでる人にはぜひ試してほしいです。
対人恐怖症で苦しんでる人のために、自分が認知行動療法を試した経験をご紹介します。
対人恐怖症を治すための参考になると思うので、ぜひ最後まで読んでみてください。
対人恐怖症を治すために認知行動療法を試した話
人が怖くて仕方がなかったけどいつかは元通りになると信じていたが・・・
僕が対人恐怖症になったのは、高校を卒業して大学生になったころからでした。
どういうわけか人と話すときに緊張したり怖くなってしまって、話しかけられてもまともに会話することができなくなってしまいました。
友人と話すことも苦痛になったり、一緒にお昼ご飯を食べに行くのも辛かった記憶があります。
当時は対人恐怖症なんて言葉も知らなかったし、今までどおりの自分にいつかは戻れるはずだと信じながら我慢して暮らしてました。
そうこうするうちに社会人になっても緊張して人と話すことができず、一生懸命自分を偽って我慢しながら働いてました。
いつかは人が怖くなくなって普通に話すことができるようになると信じていましたが、結局10年以上たっても人と話すのが怖いままでした。
どうにかして今の状況から抜け出したいと思っていろんな本を読み漁っていると、対人恐怖症という言葉と出会います。
対人恐怖症の症状をいくつか例に出してみると
参考
- 他人の目を過剰に意識して緊張や苦痛を感じてしまう
- 人前で話すときに頭が真っ白になる
- 人前で話すときに声が震えてしまう
- 電話がかかってくると緊張してしまう
- 自分の電話を他人に聞かれるのを過剰に意識してしまう
- 他人の視線が怖い
見事に自分に当てはまってました。
自分は対人恐怖症になってしまってるに違いない
自分が抱えている問題をはっきりさせることができた瞬間でした。
問題を見つけることができれば、どうやって解決するかを考えればいいだけです。
早速対人恐怖症の克服の仕方を探してみたところ、認知行動療法が効果があると見つけたので試してみることにしました。
認知行動療法とは
認知行動療法とは自分のものの見方や考え方にアプローチして、自分の気持ちや感情をコントロールするする心理療法です。
同じ出来事がおこったとしても、人によっては感じ方や行動が違います。
それは人によって考え方や受け止め方が違うことが原因と考えられています。
つまり何か出来事が起こったときに、まず最初に考えが思い浮かび、その考えから怒りや不安、悲しみなどの感情が出てくるという順番になります。
たとえば、
①出来事:メールの返事が返ってこない
②考え方:自分は嫌われているに違いない
③感情:悲しい気持ちになる
という段階を経て、起こった出来事から感情が生まれるようになります。
いきなり出来事から感情が芽生えるのではなく、その間に自分が持つ考え方が入ってきます。
この考え方が人によって違うので、同じ出来事が起こったとしても感じ方や行動が違うようになります。
認知行動療法は、ものの見方や考え方を悲観的になり過ぎず、より現実に沿うようにしていくことで対人恐怖症を克服していくことができます。
自動思考に目をむける
認知行動療法は何か出来事が起こったときに、瞬間的に頭に思い浮かぶものの見方や考え方を偏ったものになり過ぎないように修正していきます。
瞬間的に頭に思い浮かぶものの見方や考え方を自動思考と呼びます。
対人恐怖症で苦しんでいるのは、どうやらこの自動思考が原因のようです。
たとえば僕の例でいうと、何か出来事が起こったときによく思い浮かんでいた自動思考は
自動思考
- 自分はなんでこんなにダメなやつなんだろう
- 人からバカにされている
- 自分のせいで人を怒らせてしまったのではないか
- 人から嫌われている
- 自分は必要ない人間なのではないか
などと瞬間的に頭の中で考えることが癖になっていました。
その結果自分がどんな感情を繰り返していたかというと
感情
- 悲観的になったり
- 不安になったり
- ときには怒りを覚えたり
ということを繰り返していたんです。
自分では瞬間的に考えることに意識を向けることがなかったので、いつもネガティブな感情で苦しかったです。
認知行動療法では、この瞬間的に浮かんでくる自動思考を切り取って現実に沿っているのかを確認していきます。
感情は自動思考に左右されてしまうので、自動思考を現実と照らし合わせてあまりに極端になっていないかを確認していきます。
自動思考を修正する
僕が心理療法を受けてどのように自動思考を修正して対人恐怖症を治したかをご紹介します。
以下のステップを気持ちが落ち込んだときに何度も繰り返して記録していました。
step
1気持ちが落ち込んだ出来事を具体的に書きだす
自分の気持ちが落ち込んだり苦しくなった出来事を具体的に書きだします。
僕の場合でたとえると、
メールを送ったのにずっと返信がなかった
など具体的な状況を書き出します。
step
2そのときの気持ちを書き出す
そのときに感じた気持ちを書き出しておきます。
たとえば
参考
- 憂鬱になった
- 落ち着かない
- 不安な気持ちになった
- 怖い
- 腹が立つ
など実際に自分が感じた気持ちを記録しておきます。
実際に僕はメールの返信が返ってこなかったときは
ずっと落ち着かなくて、不安な気持ちになっていました。
自分が感じた気持ちを素直に書き出しておきます。
step
3そのときにどんな行動をとったかを書き出す
自分がネガティブな気持ちになったときに、どんな行動をとったかを書き出します。
僕の例でいくと、
メールが返ってこないことに対してずっと悩み続けてました。
自分の気持ちが落ち込んだときに、どんな行動をとったかを客観的に考えるようにします。
step
4瞬間的に頭に浮かんだ自動思考を書き出す
次に瞬間的に頭に浮かんだ自動思考を書き出します。
ネガティブな気持ちになる前に、考えたことを切り取って書き出します。
気持ちが落ち込んだときは、自動思考と密接な関係があるので自動思考を客観的に把握します。
僕の例でいくと、
自分は嫌われているのではないか
という自動思考が浮かんでから、不安な気持ちになっていきました。
step
5自動思考を裏付ける根拠と反論を書き出す
自動思考を裏付ける根拠と反論を書き出します。
自分を憂鬱な気分にさせている自動思考が、どれだけ事実にもとづいているのかを客観的に確認します。
僕の例でいくと、
以前にメールの相手を怒らせてしまったことがあった。
という根拠を書き出しました。
次に自動思考を反論する事実を書き出します。
自動思考に反論するための事実を書き出してみます。
僕の例でいくと、
対面で会ったときは普通に会話してくれていた
という自動思考を反論する事実を書き出しました。
step
6自動思考をバランスの取れた柔軟な思考に変える
憂鬱な気分を引き起こす自動思考は極端な考え方になっていることが多いので、バランスの取れた柔軟な考え方に変えていきます。
偏った自動思考を柔軟な思考に変えて、憂鬱な気持ちを引き起こさないように自動思考を書き換えていきます。
僕の例でいくと、
メールの返信がなかったことで、”自分は嫌われているのではないか”と自動思考していたものを、次のように柔軟に考えるように変えてみました。
参考
- メールの返信がなかったので嫌われてるのではないかと思った。
- 以前に相手を怒らせてしまったことも事実としてある。
- だけど対面で会ったときは普通に会話をしてくれていたことも事実だ。
- 必ずしも自分が嫌われているとは言い切れないのではないか。
これで憂鬱な気持ちがほんの少しでも楽になれば大丈夫です。
僕は対人恐怖症を治すために、憂鬱な出来事が起こるたびにSTEP1~6のプロセスを繰り返して自動思考を柔軟な思考に書き換えてました。
自分の自動思考がバランスの取れた思考に変わっていくにつれて、悲観的になったり憂鬱な気持ちになることも少なくなっていきました。
気が付けば今まで人と話すことも緊張してできなかったのが、日常会話くらいは緊張せずにできるようになっていました。
対人恐怖症で悩んでいてまだ認知行動療法を試したことがないという方は、一度試してみることをおすすめします。
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