小さなことで傷つきやすい…自分にうんざりしていませんか?
他人のちょっとした言動に敏感に反応してしまい、「また傷ついてしまった」と感じる――その背景には、長年の“心のクセ”があります。
実はこの「傷つきやすさ」は、アダルトチルドレンの特徴のひとつとして心理学でも知られています。何を言われても平気な人と、自分だけが過敏に反応してしまう。その違いは、「出来事への受け取り方」のパターンにあるのです。

相手は楽しいと思っていたかもしれないのに、自己否定してしまうのです
この記事では、過去の経験によって身についてしまった反応パターンを見直し、傷つきにくくなる方法を丁寧に解説していきます。
その傷つきやすさ、心の「条件反射」かもしれない
アダルトチルドレンに多い“自動反応”の正体
たとえば、朝「おはよう」と挨拶をしたのに相手から返事がなかったとしましょう。そのときあなたは、
-
「無視された…嫌われたかも」
-
「やっぱり自分なんて…」
と、瞬間的に心がざわついたり、胸がギュッとなったりしませんか?
これは実際に相手から否定されたのではなく、「自分が傷ついた」と自動的に解釈してしまう条件反射のようなものです。
この反応は、アダルトチルドレンに多く見られます。機能不全の家庭で育った経験があると、「他人の機嫌に常に敏感でいなければならなかった」という記憶が残り、ちょっとした他人の態度にも過敏に反応するようになってしまうのです。
そもそも条件反射って何?なぜ心がそう反応するの?
パブロフの犬と心の反応
「パブロフの犬」の実験をご存知でしょうか?
ベルを鳴らしてからエサを与えることを繰り返していると、犬はベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになります。これが条件反射です。
同じように、私たちも繰り返しある反応を体験すると、「出来事=感情の反応」がセットで定着してしまうことがあります。
たとえば過去に、「静かにしていたら親の機嫌が良かった」「自分の主張をすると怒鳴られた」という経験があると、他人のちょっとした表情や言動に、無意識にビクッと反応するようになるのです。
これはあなたの性格が弱いのではなく、過去の経験によって身につけた生き延びるための反応パターン。でも、大人になった今、それが生きづらさにつながっているのなら、見直すタイミングかもしれません。
反応を書き換えるための3つの問いかけ
まず大事なのは、「本当に傷つくようなことだったのか?」と疑ってみることです。
ちょっとした言動に反応してしまったとき、こんなふうに問いかけてみてください:
反応を見直す3つの質問
-
これは本当に傷つくような出来事だった?
-
相手は本当に自分を嫌っていたの?
-
ただの思い込みや推測じゃない?
アダルトチルドレンの人は、過去の記憶をもとに「きっとまた否定された」と無意識に結びつけてしまいがちです。でも、一拍置いて問い直すことで反応パターンを見直すチャンスになります。
繰り返せば反応は変えられる
脳は新しいパターンを覚える力がある
心理学では「認知の再構成(リフレーミング)」と呼ばれるこの手法は、条件反射的に浮かんだネガティブな解釈を、より現実的で優しいものに書き換えていく方法です。
人間の脳は柔軟性があり、繰り返すことで反応を変えることができます。たとえアダルトチルドレンとして育ち、傷つきやすい心のパターンを身につけたとしても、それを修正する力が大人のあなたにはあります。
毎回の反応にほんの少しだけ意識を向けてみてください。たとえばこんな感じに。
あれ?今また「嫌われた」って思ったけど、実際はただの勘違いかもしれないな。
こんな小さな一言を自分に返すだけで、条件反射のサイクルにストップをかけることができます。
肩の力を抜いて取り組んでみよう
もちろん、すぐに全部の反応を変えられるわけではありません。焦らず、少しずつ。
「またやっちゃった…」と落ち込む必要もありません。長年続けてきた反応パターンなんですから、変わるのに時間がかかるのは当たり前です。
大切なのは、自分を責めるのではなく、「あ、自分はこういうときに反応しやすいんだな」とやさしく気づいてあげること。
ぶっちゃけ、そういう自分に気づけるようになった時点で、あなたはもう十分前に進んでます。
最後に
ささいなことで傷ついてしまう――それは決してあなたの「心が弱いせい」ではありません。
アダルトチルドレンとして育った人は、他人の顔色に敏感で、自分の価値を周囲の評価で判断しがち。その繰り返しの中で、「すぐに自己否定してしまう心のクセ」が身についてしまったのです。
でもその反応は、条件反射のように後から身についたもの。だからこそ、大人になった今、少しずつ書き換えることができるのです。
傷ついたと思ったとき、自分の反応をやさしく見直す。それを何度も繰り返すうちに、あなたの心はきっと少しずつラクになっていくはずです。
自分に厳しくなりすぎず、少しずつでOK。今日から、自分の反応に気づく一歩をはじめてみましょう。