将来への漠然とした不安はなぜ生まれるのか?
人と接しているときに、なぜか漠然とした不安を感じること、ありませんか?アダルトチルドレンの人は特に、このような不安を抱きやすい傾向があります。これは、過去の経験から相手の心を過剰に読み取ってしまい、不安や恐怖が強くなってしまうからです。

そして必死に不安材料をなくしても、最後まで漠然とした将来への不安が残っていました・・・
社会的な生き物である人間は、他人からどう思われているのかが気になって当然。でもその不安が、常に続くとしたら、ちょっと注意が必要です。
「心の深読み」が不安を強める
アダルトチルドレンは、相手の気持ちや態度を深読みしすぎる傾向があります。たとえば、話しかけた時に相手がそっけない態度をとると、「自分は嫌われている」と思い込んでしまいがちです。
しかし、実際には相手の機嫌が悪かったり、体調が悪かったりすることも多いものです。
心理学的には、こうした「過度の心の深読み」は認知の歪みの一つとされ、不安やストレスを増幅させる原因となります。
シェイクスピアが言ったように、「不安な心には茂みが熊に見えてしまう」ことがあるのです。
漠然とした不安を和らげる具体的な方法
事実に目を向けることが大切
不安を感じたときは、まず「今目の前の事実」だけに集中してみましょう。たとえば、相手がそっけない態度をとったなら、それは「そっけない態度をとった」という事実だけです。
それ以上でもそれ以下でもない。単にそっけない態度をという事実があるだけ。
そこに勝手な解釈を付け加えず、冷静に見る訓練をすることで、心の深読みが減り、過剰な不安も和らぎます。
認知行動療法で心のクセを整える
心理学の治療法の一つである認知行動療法(CBT)は、こうした過剰な心の深読みやネガティブな思考パターンを見直すのに非常に有効です。
認知行動療法は、自分の思考パターンに気づき、より現実的でバランスの取れた考え方に変えていく手法。アダルトチルドレンが抱えやすい将来への漠然とした不安にも効果的だと多くの研究で示されています。
アダルトチルドレンが将来の不安を軽減するためにできること
自分の感情を認める
「不安を感じる自分はダメだ」と否定せず、「不安を感じている自分もいるんだな」とまずは認めてみましょう。感情を否定しないことが心の安定に繋がります。
自分が感じている不安をあるがままに受け止めてあげることが大切です。
無理をしないで自分のペースを大事に
人と接するのが苦手な人は、無理に気を遣いすぎず、自分のペースで交流することも大切です。焦らず少しずつ慣れていくことで、不安も軽くなっていきます。
相手に嫌われないようにしようと無理してしまうと、また不安が顔をのぞかせてしまいます。
漠然とした将来の不安を抱えるのは決して珍しくない
将来への不安は誰にでもありますが、特にアダルトチルドレンはその不安がより強く感じられやすいものです。でも、それは決してあなたのせいではありません。過去の環境や経験が影響しているだけなのです。
認知行動療法のような専門的なアプローチもあるので、ひとりで抱え込まず、必要なら相談してみてくださいね。
最後に
将来に対して漠然とした不安を抱えるのはつらいものですが、相手の心を深読みしすぎないこと、そして今目の前の事実に目を向けることがとても大切です。アダルトチルドレンの特徴として強く出やすいこの不安も、認知行動療法などを通じて少しずつ改善できます。
焦らず、自分の心に優しく向き合いながら、前に進んでいきましょう。