自分はつまらない人間だとずっと思い悩んでいる人は意外に多いとお察しします。

「自分はつまらない人間だ」と誰よりも私が思っていたので、気持ちは痛いほどよくわかります。
「つまらない人間なんかじゃないよ」というありきたりな話をする気もありませんのでご安心ください
「自分はつまらない人間だ」と何年も悩んできて、少しでも自分に価値を見いだしてもらえる方法を記事にしています。
この記事を読めばいきなり「自分は素晴らしい人間だ!!」なんて急には変わりませんが、「自分はつまらない人間だ」とはあまり思わないようになります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
アダルトチルドレンはなぜ「自分はつまらない人間」だと自己暗示にかかるのか?
人は誰しも考え方の癖を持っています。この考え方の癖が繰り返されると、まるで自己暗示にかかったかのように、その思考が自分の中に定着していきます。お気づきかもしれませんが、「自分はつまらない人間だ」というのも、まさにこうした思考の癖の一つなんです。
やっかいなことに、この思考の癖は、自分が意識して見ようとしなければ、普通はなかなか気づけないことがほとんど。ちょうど、自分のまつ毛が見えないのと同じようなものですね。
考え方の癖といっても、単にネガティブ思考だとかポジティブ思考だとか、そんな大ざっぱな癖ではありません。もっと具体的に、普段からどんなことを考えているか、ということです。たとえば、『自分はつまらない人間だ』と、繰り返し心の中で唱えてしまうような癖のことです。
「自分はつまらない人間」だとどれくらい頭の中で繰り返している?
ここで、ある興味深い研究に触れてみましょう。
参考
先ほど、「自分はつまらない人間だ」と考えてしまうのは、考え方の癖だとお話しましたが、これを踏まえて振り返ってみると、1日何回くらいそう考えているでしょうか? 100回? 1,000回? 下手すると10,000回以上かもしれません。
このように、一日のうちに何万回も「自分はつまらない人間だ」という自己暗示をかけていると、見事につまらない人間へと向かってしまう、というのは決して大げさな話ではありません。特にアダルトチルドレンの方々は、幼少期の経験から自己肯定感が低くなりがちで、このような自己否定的な思考のループに陥りやすい傾向があります。自分では気づかないうちに、心の中で「自分はつまらない人間」というレッテルを貼り続けているんですね。
アダルトチルドレンが「自分はつまらない人間」だと感じると、その通りに行動してしまうメカニズム
何万回も自分の頭の中で「自分はつまらない人間だ」という言葉を繰り返すと、人は「自分はつまらない人間だ」ということを証明するかのように行動してしまいます。これは、毎日靴を左足からはくことを繰り返すと、意識せずとも無意識に左足から靴を履くようになるのと同じ心理です。思考の癖ができあがってしまうと、何か出来事が起きるたびに、次のような思考パターンが頭の中で引き起こされます。
- 何かの出来事が起こる
- 思考の癖が引き起こされる(自動思考)
- 思考の癖に基づいて結論を出す
- その結論に基づいて行動する
これは、出来事が起こったときに、その出来事に対して瞬時に頭の中で判断し、結論を出す自動思考と呼ばれるものです。アダルトチルドレンの方は、過去の経験から自己肯定感が低く、この自動思考がネガティブな方向に働きやすい傾向があります。
たとえば、『自分はつまらない人間だ』という思考の癖をもっていたとします。そうすると、日常生活で自分が話をしなければならない場面に遭遇したとき、この思考の癖が無意識に自分の結論、つまりは行動に影響を及ぼします。
ポイント
- 何か人から発言を求められたとき: 「自分はつまらない人間だ」という思考の癖が無意識に働き、「特に何も意見はありません」と答えてしまいます。
- 周りが雑談で楽しく会話しているとき: 「自分はつまらない人間だ」という思考の癖が無意識に働き、「自分は発言せずに他の人の話を聞いているだけ」という行動をとってしまいます。
- 仲良くなろうとして人から話しかけられたとき: 「自分はつまらない人間だ」という思考の癖が無意識に働き、「適当に受け答えをして会話を流す」という行動をとってしまいます。
このように、自分でも気付かないうちに、思考の癖は自分の行動のすべてに影響を及ぼすことになります。特にアダルトチルドレンの場合、幼少期に「良い子でいなければ」「目立ってはいけない」といった無意識のルールを内面化していることが多く、これが「自分はつまらない人間」という思考を強化し、行動を制限してしまうのです。
この思考の癖に気づかない限りは、自分がなぜこんな行動をとってしまうのかわからないまま、同じような行動を繰り返してしまいます。まるで自動的にその行動が再生されるかのように。
思考の癖を認識し、行動パターンを変える第一歩
こうした思考の癖に気づくために、まずは「自分はつまらない人間だ」と思う前に、あるがままの自分を認めてあげることが重要です。
雑談のたびに自分が発言しないことを繰り返しているとすれば、「自分のどんな思考の癖が、発言しない行動を生み出しているのか?」という問いかけを、客観的に自分にしてみるのです。
例えば、「発言して変なこと言ったらどうしよう」「つまらないと思われたら嫌だな」といった不安が浮かんでくるかもしれません。
それこそが、あなたの思考の癖の具体的な姿です。アダルトチルドレンの方が抱えがちな「完璧主義」や「他者評価への過剰な意識」が、こうした思考の癖を強くしていることがあります。
自分の中にあるそうした感情や思考に、ただ「気づく」ことから始めましょう。無理に否定したり、変えようとしたりする必要はありません。まずは「ああ、自分は今、こんなことを考えているんだな」と、客観的に認識するだけでOKです。
アダルトチルドレンが抱く「自分はつまらない人間」という思考は本当に真実なのか?
こうして「自分はつまらない人間だ」という思考の癖を持つ人がいますが、本当にその思考は合っているのでしょうか?
客観的に自分の思考を観察していくと、これまで無意識に行動に影響を及ぼしていたやっかいな思考の癖が、徐々に意識にのぼってきます。そして、その思考の癖が真実なのかどうかを疑ってみるんです。
もしも「自分はつまらない人間だ」という思考の癖をもっているとすれば、「本当にそうか?」と疑ってみるのです。
これは認知行動療法でも使われる「思考の歪み」を修正するアプローチの一つです。アダルトチルドレンの方は、しばしば極端な白黒思考や、過度の一般化といった思考の歪みを持ちやすい傾向があります。
「自分はつまらない人間だ」という結論を成り立たせようと思えば、世界中の誰もが自分のことを面白くないと思わなければなりません。でも、そんなことってありえないですよね?必ずどこかの誰かは、自分の話に興味を持つ人が存在するはずです。
「自分はつまらない人間」という思い込みを崩す
思考の癖を疑ってみることで、それは単なる思い込みで、事実ではないことに気づくはずです。
これまで無意識で思い込んでいた「自分はつまらない人間だ」という思考の癖が、音を立てて崩れ始めることになります。
思考の癖が変わり始めると、自ずと行動も変わりはじめます。これまで話すことに遠慮していたのが、思考の癖が変わり始めると、だんだんと自ら話ができるようになっていきます。
まずは自分にも思考の癖が存在することを認識してみることです。そして、もし同じ行動を繰り返しているとするなら、それはおそらく自分が無意識にもっている思考の癖が原因といえます。
たとえば、「自分はつまらない人間だから、話をしても誰も聞いてくれないだろう」という思考があるなら、それを「本当にそうかな?もしかしたら、聞いてくれる人もいるかもしれない」と、少しだけ疑ってみる。その小さな疑いが、新しい行動への一歩になります。
アダルトチルドレンとして「自分はつまらない人間」だと思ってしまうのは、過去の経験から得た学習によるものです。でも、それは変えられます。
「自分はつまらない人間」から抜け出す具体的なステップ
アダルトチルドレンの方が「自分はつまらない人間」という思い込みから解放され、より自分らしく生きるためには、いくつかの具体的なステップがあります。
1. 思考の記録と観察:自分の「つまらない人間」思考を客観視する
まずは、自分の思考の癖を具体的に把握することから始めましょう。 例えば、スマートフォンや手帳を使って、「自分はつまらない人間」だと感じた瞬間の状況、そのときに頭に浮かんだ思考、そしてそれによってどんな感情が湧いたかを記録してみるんです。
- 状況: 友人との会話中
- 思考: 「気の利いたことが言えない。こんなこと言ってもつまらないだろうな。」
- 感情: 落ち込み、不安、自己嫌悪
これを続けていくと、どんなときに「自分はつまらない人間」と感じやすいのか、どんな思考パターンがあるのかが見えてきます。これは、アダルトチルドレンが抱える認知の歪みを特定する上で非常に有効な手段です。自分の思考を客観視できると、まるで「あっ、またこのパターンか」と、一歩引いて見れるようになります。
2. 思考への反論:本当に「つまらない人間」なのか?
記録した思考に対して、**「本当にそうなのか?」**と、優しいけれどもしっかりと問いかけてみましょう。 例えば、「気の利いたことが言えない」という思考に対しては、次のように問いかけてみてください。
- 「本当にいつも気の利いたことが言えないのか?」
- 「誰か一人でも、自分の話を楽しんでくれた経験はないか?」
- 「気の利いたことだけが、人との関係を築く上で必要なことなのか?」
アダルトチルドレンの場合、完璧主義が邪魔をして、少しでも完璧でないと「つまらない人間」だと決めつけてしまうことがあります。しかし、完璧でなくても、ありのままの自分で十分価値があることを認識することが大切です。人はみんな完璧じゃないし、そこがまた人間味あふれる魅力だったりするんですよ。
3. 行動実験:「つまらない人間」ではない自分を試してみる
思考の癖が変わってくると、行動も変わってきます。小さなことからでいいので、新しい行動を試してみましょう。
- 雑談で少しだけ発言してみる: 例えば、「今日は天気が良いですね」といった簡単な一言からでもOKです。
- 自分の好きなことを話してみる: 相手が興味を持つかどうかはさておき、まずは自分が話したいことを話してみる。
- 相手に質問を投げかけてみる: 自分が話すのが苦手でも、相手の話を聞くことで関係性は深まります。
もしうまくいかなくても、それは「自分はつまらない人間」だからではなく、単に「今回はうまくいかなかった」という事実として受け止めましょう。失敗から学ぶことで、次へと活かすことができます。アダルトチルドレンの方は、失敗を過度に恐れる傾向がありますが、小さな成功体験を積み重ねることが、自信へと繋がります。
4. 自己肯定感を高める:自分の価値を認める
「自分はつまらない人間」という思考の根底には、自己肯定感の低さがあります。アダルトチルドレンが自己肯定感を高めるためには、以下のことを試してみてください。
- 自分の良い点を見つける: 小さなことでも構いません。毎日一つでも、自分の良いところやできたことを記録してみましょう。例えば、「今日は時間通りに起きた」「丁寧に食器を洗った」など。
- 自分を褒める: どんな小さなことでも、自分を褒めてあげましょう。心の中で「よくやった!」と声をかけるだけでも違います。
- 過去の自分を癒す: アダルトチルドレンの根源には、幼少期の満たされなかった経験が影響しています。インナーチャイルドワークや、専門家とのカウンセリングを通じて、過去の自分を癒すことも、自己肯定感を高める上で非常に重要です。
最後に
「自分はつまらない人間だ」という感覚は、多くのアダルトチルドレンの方々が抱える共通の悩みです。しかし、それは決してあなたの本質ではありません。それは、これまでの経験から培われた、単なる思考の癖に過ぎないのです。
この思考の癖に気づき、それが真実ではないと疑い、そして小さな一歩を踏み出すことで、あなたは必ず変わることができます。いきなり劇的に「自分は素晴らしい人間だ!」と変わることはなくても、「自分はつまらない人間だ」という感覚は薄れていくはずです。
そして、ありのままの自分を受け入れ、自分の価値を認められるようになるでしょう。アダルトチルドレンとして抱えてきた苦しみから解放され、より自分らしく、そして充実した人生を歩むための一助となれば幸いです。焦らず、自分のペースで、このプロセスを歩んでいってくださいね。応援しています!