相手の機嫌が悪いのは本当に自分のせい?
「旦那が不機嫌そうにしていると、自分が何か悪いことをしたのでは?」とつい考えてしまう……。そんな経験、ありませんか?
アダルトチルドレンの方には、相手の機嫌の変化を敏感に感じ取り、「きっと自分のせいだ」と思い込んでしまう傾向がよく見られます。しかし実際のところ、相手の感情は本当にあなたの責任なのでしょうか?

そこまで好きな相手でもなくても期限をとろうとしてしまうから困ったものです
アダルトチルドレンが相手の感情に振り回されやすいワケ
子どもの頃に「親の顔色をうかがう」が当たり前だった
アダルトチルドレンに多いのは、子どもの頃から親の機嫌を敏感に察知し、行動を決めてきたという背景です。家庭が不安定だったり、親が感情的だったりした場合、子どもは「親の怒りを避けること」が生きる術になってしまうのです。
その結果、大人になってからも他人の感情を過剰に気にするようになります。職場でもプライベートでも、誰かが不機嫌になると「自分が悪いのかも」と即座に反応してしまい、心がざわざわしてしまうのです。
「相手の機嫌=自分の価値」という思い込み
アダルトチルドレンの方は、相手の機嫌がいいときは「自分は認められている」、機嫌が悪いときは「自分は嫌われている」と極端に捉えがちです。そのため、常に人の顔色を気にして行動し、自分を責めるクセがついてしまっています。
このような思い込みがあると、誰かが不機嫌なだけで、自分の存在が否定されたような気分になってしまうのです。
相手の感情は相手の課題
アドラー心理学に学ぶ「課題の分離」
心理学者アルフレッド・アドラーは「課題の分離」という考え方を提唱しています。他人の機嫌はその人の課題であり、自分がコントロールすべきものではないという考え方です。
例えば、旦那さんが仕事でトラブルがあって不機嫌だったとします。その出来事自体も、その後の感情の処理も、旦那さん自身の課題です。あなたが責任を感じたり、なんとか機嫌を直そうとがんばる必要はありません。
振り回されずに、自分の感情を整えることこそが、自分の課題なのです。
自分の感情に集中しよう
まずは自分の気持ちを見つめ直してみる
相手の機嫌ばかり気にしていると、自分が何を感じているかがわからなくなってきます。「相手が不機嫌→自分が不安→何とかしなきゃ」と反射的に動くのではなく、「私は今、どう感じている?」と自分に問いかけてみてください。
たとえば、「不機嫌な人を見ると緊張する」「自分を責めたくなる」「拒絶されているようで怖い」など、感情を丁寧に言語化することで、振り回されにくくなります。
自分の機嫌を優先する練習
相手の感情にばかり気を取られて、自分の気分が乱れっぱなし……。そんなときは、自分の機嫌をとる練習をしてみましょう。
美味しいものを食べる、好きな音楽を聴く、ちょっと散歩してみる——そんなシンプルなことでもOKです。自分の心を整える力を育てることで、相手の機嫌に左右されにくくなっていきます。
ちょっと気楽に言うと、「相手が不機嫌でも、知らんがな〜」くらいの気持ちでいていいんです(笑)。
「いい人」をやめても大丈夫
「相手に嫌われたくない」から卒業しよう
アダルトチルドレンの方は、人に嫌われることを極端に恐れる傾向もあります。そのため、不機嫌な相手をなんとかご機嫌にさせようと頑張ってしまいがちです。
でも、それってすごく消耗しますよね? 自分を犠牲にしてまで他人の感情を背負う必要はありません。
「相手の機嫌が悪いのは自分のせいじゃない」「振り回されなくていい」——そう何度も心の中で言い聞かせて、自分の感情を守ることが大切です。
最後に
相手の機嫌が悪いと、「自分のせいだ」と反射的に思ってしまう——それは、アダルトチルドレンとして育ってきたあなたの繊細さとやさしさのあらわれでもあります。
でも、その優しさが自分を苦しめてしまっては、本末転倒ですよね。
相手の機嫌をコントロールしようとせず、自分の感情に寄り添ってあげること。そして「私は悪くない」「振り回されなくていい」と自分に許可を出すこと。
少しずつ、そうした考え方を身につけていくことで、心はぐっと軽くなっていきます。
誰かの感情に振り回されずに、自分の人生を歩んでいきましょう。