その「ごめんなさい」、なぜ口にできないの?謝れない人の心の奥底
あなたは今、こんな風に感じていませんか?
- 相手に迷惑をかけたと自覚しているのに、なかなか「ごめんなさい」と言い出せない
- 謝罪することで、自分の価値が下がってしまうように感じる
- 謝った後に、相手からどんな反応が返ってくるか怖くて動けない
- 謝るべきタイミングを逃してしまい、後になってずっと後悔している
この記事を書いてる僕も、もともと謝ることが苦手でした。小さいころから自分が悪いとわかっていても、どうしても謝ることができない子どもでした。素直に謝れない性格だったのでさんざん痛い経験をしましたが、今でこそやっと人並みに謝れるようになっています。
実は、この「素直に謝れない」という悩みは、アダルトチルドレンに多く見られる特徴の一つです。彼らは、幼少期の家庭環境(例えば、親が完璧主義だったり、間違いを厳しく咎められたりした経験)が原因で、自分の過ちを認めることや、他人に対して弱みを見せることに強い抵抗を感じることがあります。謝ることが「負け」や「自分の価値の否定」だと無意識に捉えてしまうため、素直に謝りたくても謝れないという苦しさを抱えてしまうのです。
でも、安心してください。『素直に謝れない性格』を治すのは、それほど難しくはありません。謝れない自分を治す方法を知っていれば、自分が悪いときにはちゃんと謝れるようになります。謝りたくても謝れずに悩んでいるアダルトチルドレンのあなたのために、抵抗感なく謝れるようになる具体的な方法を解説しています。謝れる自分になると人生が生きやすくなるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「謝れない」を紐解く:隠された心理と理由
素直に謝りたくても謝れない理由と心理を深く理解すれば、グッと謝ることへのハードルが下がります。謝りたくても謝れない理由と心理をまとめたので参考にしてみてください。
1. プライドが高くて謝れない
プライドが高いと、謝りたくても謝れない原因になります。プライドが高い人は、謝ると自分のプライドが傷ついてしまうと感じるからです。
「ごめんなさい」という言葉を発することは、自分のプライドが許しません。プライドが高い人が謝るということは、自分が相手に負けを認めたことになると錯覚してしまいます。特にアダルトチルドレンの中には、幼い頃に自分の弱さを見せられなかったり、常に強くあることを求められたりした経験から、この「負けられない」という意識が強く根付いていることがあります。
しかし、間違ったことを素直に認めて謝った方が、実は人間としての器が大きく見え、結果的に自分の価値が上がるんです。プライドが高い人はなかなかそれが理解できません。プライドが邪魔をして、謝りたくても謝れないのです。
プライドが高いのは、ある意味で「自分は価値ある存在だ」と認めていることでもあります。本当に価値ある存在とは、間違いを素直に認めて謝れる人だということが腹落ちできれば、素直に謝れるようになります。
2. 自分が傷つくことが怖くて謝れない
自分が傷つくことに過敏になっている人も、謝りたくても謝れません。自分の非を認めて謝ることは、自分が傷つくことになる、相手から責められる、あるいは拒絶される、といった恐怖を感じるからです。
謝るという行為をすることで、自分を過剰に責めてしまい、傷つくことを恐れてしまいます。「ごめんなさい」という言葉を発すると同時に、過去に謝罪した際に感じた痛みや、批判された経験がフラッシュバックして、自分で自分を傷つけてしまうことがあります。
しかし、客観的に見れば、謝るという行為をすることで、あなたの価値は何ら傷つくことはありません。むしろ、責任感のある行動として評価されることが多いでしょう。それでも、「自分の非を認めて謝ることは、自分の価値を下げ、傷つくことだ」と錯覚してしまっているのです。特にアダルトチルドレンは、幼少期に謝罪した際にさらに厳しく罰せられたり、親に許されなかったりした経験があると、この「謝罪=傷つき」というパターンが強く刻み込まれることがあります。
ですから、謝ることは自分を傷つけることになってしまうので、謝りたくても謝れなくなってしまうのです。
3. 周りの目を気にしすぎて謝れない
周りの目を気にしすぎると、素直に謝れなくなってしまいます。素直に謝っている自分を周りの人に見られるのが耐えられないからです。
周りの目を気にする人は、自分が素直に謝っている姿を周りに見られると、まるで恥をかいているように感じてしまいます。その場に周りの誰か見ている人がいると、謝るべき相手よりも、周りの人にどう思われるかを先に気にしてしまうんです。特にアダルトチルドレンは、幼少期から「良い子」を演じ、周囲の期待に応えようとしてきたため、人前での失敗や、弱みを見せることへの抵抗が強い傾向があります。
しかし、間違ったことをしたら素直に謝ることで、むしろ周りの評価は上がることがほとんどです。必要以上に周りの目を気にする必要はありません。
4. 「謝ったら負け」と思ってしまっている
**「謝ったら負け」**と思っているのも、素直に謝れない人の心理です。何事も勝ち負けで判断する傾向が強い人が、謝ったら自分の負けを認めることになると考えがちです。
この「謝罪=自分の負け」という価値観は、特に競争的な環境で育ったり、常に「勝ち」を求められたりした経験のあるアダルトチルドレンに強く見られることがあります。
しかし、客観的に見て、勝ったか負けたかは自分の判断でしかありません。謝らなかったから「勝った」ということにはなりませんよね。反対に、素直に自分の非を認めて謝ることで周りの信頼を得ることができれば、そっちの方がよっぽど「勝ち」だと思いませんか?
「謝ること=自分の負け」という価値観を持っている限り、素直に謝ることができなくなってしまいます。自分の人間としての器を大きくすることが「勝ち」とするならば、誤りを認めて素直に謝ることは、まさに「勝ち」につながると言えるのではないでしょうか。
「ごめんなさい」を言える自分になる!具体的な5つのステップ
謝れない自分を変えたい!そう思っているあなたのために、謝ることへの抵抗感を減らし、素直に謝れるようになるための具体的な方法を解説します。
1. 謝罪を「自己防衛」と捉え直す
謝らない状態を放置すると、心に大きな重りがのしかかってきます。なぜなら、謝りたいのに謝らずにいると、心に重りが残り続けて、自分の心を支配し続けるからです。
これは、相手のために謝ることはもちろんですが、**「自分のためにも謝る」**という視点を持つことが重要です。自分が間違っているのに気づきながらも、プライドや恐怖が邪魔をして誤りを認めずにいると、心の中に「謝りたい」というモヤモヤがたまってしまいます。自分は忘れたつもりになっていても、ふとした拍子にそのモヤモヤが思い出され、心を支配します。
自分の誤りに気が付いたときは、できるだけ早い段階で誤りを認めて心の重りをなくしていくことで、自分が楽になれます。慣れないうちは、「これは自分の精神的な健康のためだ」と考えれば、うまくいくはずです。
自分が間違っているのに、自分の正しさを主張することで、その場では自分の立場を守ることができるのかもしれません。けれども、本音のところでは自分の誤りを一番よくわかっているのは自分自身ですから、自分に嘘をつき続けることになってしまいます。これは、自ら精神的な負担を増やしているようなものです。
たとえば、学校の先生が生徒に間違ったことを教えてしまうこともあるとしましょう。間違ったことを教えてしまったときに、素直に自分の誤りを認めてしまえばいいのですが、自分の間違いを誤らなかったという心の重りがずっと残り続けてしまいます。自分の間違いをすぐに認めずに隠してしまうと、先生の中に生徒への罪悪感が残り続けることになる。結果として、罪悪感を抱えながら生徒と向き合うことになるので、自分の心に重りが残り続けたままの状態になってしまうんです。早い段階で自分の誤りを認めて心の重りを下ろしてしまえば良かったのに、変にプライドが邪魔をしたために心の重りに苦しむことになります。
このように謝りたくても謝れないアダルトチルドレンは、相手のために謝ることに抵抗があるなら、まずは自分のために謝ることから始めてみるべきです。自分の心の重りを下ろして楽になることを優先しようと思えば、謝ることに対しての抵抗感が薄れていきます。
2. 問題の拡大を防ぐ「初期消火」だと考える
謝らない状態をそのままにすると、問題がどんどん大きくなってしまいます。なぜなら、謝ってもらえなかった相手には不満が残り、その不満は時間とともに増幅してしまうからです。
謝らない状態をそのままにして問題が大きくなってしまうのは、火事が起こったときにすぐに消火活動をしなかったために、一気に燃え広がってしまうようなものです。初期消火に失敗したがために、もともとぼやで済んだものが全焼してしまう結果となってしまいます。大切なのは、火がまだ小さいうちに消してしまうことです。
自分の誤りに気づいたときは、プライドを守るよりもすぐに謝ったほうが、のちのち大きな問題を抱える必要もなくなります。変に自分のプライドを守って謝らずにいると、相手との関係性が悪化し、恨みを買うことになってしまいます。相手に残った恨みは増幅し、どこかのタイミングで爆発して、復讐という形でこちらに返ってくることもあります。
自分が悪いとわかった段階ですぐに謝るのもまた、最初は「自分を守るため」に謝ると考えれば謝りやすくなります。自分がのちのち面倒くさい問題を抱えないためにも、間違いに気づいたらすぐに謝るという手段をとるのです。問題が小さいうちにすぐに謝って消しておかないと、やがて大きな問題となって自分のところへ返ってきてしまいます。
3. 「謝罪=自己否定ではない」と認識を書き換える
これは特にアダルトチルドレンにとって重要なポイントです。謝罪は、あなたの人間性や価値全体を否定するものではありません。あくまでも「特定の行動における誤り」を認める行為です。
謝ることで「自分はダメな人間だ」と自己否定に陥るのではなく、「今回の行動は間違っていたが、自分自身は成長できる人間だ」と切り離して考える練習をしましょう。
4. 完璧な謝罪を目指さない
「謝るなら完璧に、相手が完全に納得する形でなければ」と考えてしまうと、謝罪のハードルが上がります。しかし、大切なのは、あなたの「謝りたい」という気持ちと、誠意を示すことです。
- 「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
- 「私の不注意でした、すみません」
- 「配慮が足りませんでした」
など、シンプルな言葉でも十分伝わります。完璧な言葉や態度を求めすぎず、まずは言葉に出すことから始めてみましょう。
5. 自己肯定感を高める努力をする
「謝れない」ことの背景には、自己肯定感の低さが潜んでいることがあります。自分に自信がないと、過ちを認めることでさらに自己評価が下がってしまうことを恐れるからです。
日頃から、自分の良い点を見つけたり、小さな成功体験を積み重ねたりして、自己肯定感を高める努力をしましょう。自分自身を肯定できるようになれば、たとえ謝罪が必要な状況になっても、「今回の間違いはあったけど、自分は大丈夫だ」と、心の安定を保てるようになります。
最後に
「自分が悪いとわかっているのに、謝りたくても謝れない」という苦しさは、特にアダルトチルドレンのあなたにとって、深く共感できる悩みだったかもしれません。
自分の誤りを認めずに自分の立場を守り続けようとすることは、心に重りをのせていくようなものです。自分のプライドを守って罪悪感を持ったり、自己防衛の緊張を持つことは、精神衛生上決して良くありません。できるだけ早い段階で自分の誤りを認めてしまったほうが、傷口が浅く、心の重りを手放すことになります。
謝れる自分になることは、人間関係を円滑にし、何よりあなた自身の心を軽くします。最初は抵抗があるかもしれませんが、ここに挙げた方法を少しずつでも試してみてください。