その「見栄っ張り」、実はあなたを苦しめているサインかも?
あなたは今、こんな風に感じていませんか?
- 周りの人が自分よりも良く見えて、つい自分を大きく見せてしまう
- 褒められたい、認められたいという気持ちが強すぎて、背伸びしてしまう
- 嘘をついているわけじゃないのに、少し話を盛ってしまって後で後悔する
- 完璧な自分を演じようとして、いつも心が休まらない
見栄を張りたい気持ち、すごくよくわかります。周りは自分と比べて良く見えるし、自分を取り繕ってでも良く見せたいのは、誰しも一度は思ったことがあるはずです。でも、見栄を張っても最終的に良いことは何もないんです。むしろ、あとで「やっちゃったなー」と後悔したり、バレないかとヒヤヒヤしたり、疲労困憊になったり…。できることなら、やめたほうが断然ラクになります。
特に、アダルトチルドレンと呼ばれる人々は、この「見栄を張る」という行動パターンに陥りやすい傾向があります。彼らは、幼少期に「良い子でいなければ愛されない」「完璧でなければ認められない」といったメッセージを無意識のうちに受け取ってきたため、大人になっても、ありのままの自分では不十分だと感じ、人前で自分を実際以上に良く見せようとしてしまいがちなんです。
この記事では、『見栄を張ってしまうのをやめる方法』を具体的にご紹介します。ついつい見栄を張って、のちのち後悔してしまうアダルトチルドレンのあなたにとって、きっとヒントになるような内容になっています。見栄を張らずにうまく他人とバランスを取れるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「見栄っ張り」があなたを苦しめる根本的な心理とは
人間関係においてついつい見栄を張ったり、良い恰好をしようとするのは、あるがままの自分を認めていない心理が根本的な原因です。あるがままの自分ではダメだ、不十分だと感じているがために、見栄を張ってでも自分を良く見せようとしてしまうのです。
自分を偽って見栄を張る行動を繰り返していると、やがて周囲からの信頼を失ったり、さまざまな人間関係の問題を引き起こしてしまいます。さらに、自分自身も「本当の自分」と「見せている自分」のギャップに苦しみ、常に緊張状態に置かれることになります。根本的に見栄を張ろうとする自分の心理状態を書き換えなければ、何度も同じような問題が繰り返されるでしょう。
たとえば、A君は友人との何気ない会話で「自分は英語ができる」と見栄を張ってしまったとします。幸いなことに、見栄を張ったことがばれるような場面は訪れることはなかったのですが、ばれなかったから良かったわけではありません。A君が抱える問題は大きく3つあります。
- 英語が話せないあるがままの自分を認めていないこと
- また同じような場面で見栄を張ることを繰り返してしまうこと
- いつか英語が話せない自分がバレるのではないかと心配し続けること
もしA君が、英語が話せないあるがままの自分を認めていれば、いずれの問題も起こりません。英語ができない自分を認めて、「英語はできないんだ」と正直に言えばいいだけです。
「英語ができないと認めてしまうと、自分の価値が下がってしまう」という心理が働き、無理に見栄を張ってしまうことがあります。アダルトチルドレンは、自分の「できない」部分を隠そうとする傾向が強いですが、冷静に考えてみましょう。
仮に英語ができない自分をさらけ出したとしても、あなたの人間としての価値は下がることはありません。あなたの価値が下がるとすれば、それはあなた自身が「価値が下がった」と思い込んでいるだけです。もしかすると、会社の人事上の評価が下がる可能性はあるかもしれませんが、人事上の評価と、あなたの人間としての価値には何の関係もありません。当然ながら、英語ができないからといって、人としてダメということにもなりませんよね。
あるがままの自分を見つめることができれば、そもそも見栄を張って「英語ができる」とは言いません。あるがままの自分を認めていないことが、見栄を張って後悔する人の根本的な心理なのです。
「ありのままの自分」を受け入れることが見栄を張らない第一歩
あるがままの自分を認めずにいると、また同じように見栄を張ることが繰り返されてしまいます。そして、見栄を張り続けるのは、「自分はあるがままでは認められない存在だ」という自己暗示をかけ続ける行為に他なりません。
繰り返し「自分はあるがままでは認められない」と暗示をかけることで、また見栄を張って自分を良く見せようという心理が強化されてしまうのです。つまり、根本的にあるがままの自分を認めることができれば、繰り返し見栄を張ることもなくなる、というわけです。
「問題がわかれば問題解決の半分は終わったようなもの」とよく言われます。ついつい見栄を張ってしまうのは、あるがままの自分を認めていない心理状態が問題の根本原因だと、まずは知ることが重要です。この認識を持つことが、解放への大きな一歩となります。
アダルトチルドレンにとって、この「あるがままの自分を認める」というプロセスは、過去の心の傷と向き合うことでもあります。時間がかかるかもしれませんが、少しずつで構いません。水島広子先生が書いた『自分を認めてラクになる対人関係入門。それでいい』のような書籍も、あるがままの自分を受け入れるためのヒントになるかもしれません。
「他者の評価」に縛られない思考への転換
見栄を張るのをやめたいときは、その原因となる考え方から修正しないと、繰り返し同じような問題が起こってしまいます。なぜなら、見栄を張る行動をとる前の段階で、あなたの「考え方」がその行動を引き起こす原因になっているからです。
たとえば、見栄を張ったために起こる問題は、数学の公式を間違って覚えているのと似ています。
数学の試験で問題を解くための公式を間違って覚えてしまっていたらどうなるでしょうか?すべての問題を間違えた公式で解いてしまって、結果的に何度も何度も同じ間違いを繰り返してしまうことになりますよね。公式を正しく覚えない限り、何度問題に挑戦しても間違えてしまいます。見栄を張ってしまうのも、これと同じようなことが言えるんです。
何度も見栄を張って後悔しないためにも、根本の原因となる考え方から変えていくことが大切です。
なぜ、他人の評価を気にしすぎてしまうのか?
何度も同じ失敗を繰り返さないようにするために、原因となる「あるがままの自分を認めていない」考え方を修正する必要があります。なぜなら、あなたが行動を起こす原因は、あなたが出来事に対してどのような「考え方」をするかに大きく影響を受けるからです。
では、なぜあるがままの自分を認める考え方ができないのでしょうか?
それは、「他人の評価で自分の価値が決まる」と強く思い込んでいるからです。自分の価値を下げたくないがために、ついつい他人の評価を上げようと見栄を張ってしまうのです。
アダルトチルドレンは、幼少期に親からの愛情や承認が条件付きだったり、過度な期待に応えなければならなかったりした経験から、「他者の評価こそが自分の価値を決めるものだ」という信念を強く持ちやすい傾向があります。この無意識の思い込みが、見栄を張る行動の大きなトリガーとなっているのです。
「自分の価値は他人が決めるものではない」という、あなた自身の確固たる判断基準を持ちましょう。
繰り返し繰り返し見栄を張って失敗してしまっているときに、その場を応急処置的に解決しても、また問題は再発します。何度も同じ問題を引き起こしてしまう根本的な原因となる考え方を修正する必要があるのです。
問題が起こるたびに応急処置をしてどうにかその場は解決するのかもしれません。けれども、問題が起こる原因となる考え方を修正しない限りは、同じように見栄を張りたくなる場面が何度も現れてきてしまいます。
自分の価値は他人がどう評価するかに関係なく、あくまでも自分で判断することが基本です。他人に対して見栄を張る必要など、どこにもありません。こうしてあるがままの自分でもいいのだという考え方に修正されてくれば、わざわざ見栄を張ったり、格好つけようとする必要もなくなってくるのです。何度も何度も見栄を張ってしまうなら、自分の考え方を修正することが、根本的な問題の解決につながります。
見栄を張るのをやめるための実践的アプローチ
ここからは、具体的な行動を通じて「見栄を張る」癖を手放していく方法を見ていきましょう。
1. 「できないこと」や「苦手なこと」を認める練習をする
見栄を張るのは、自分の欠点や弱みを隠したい気持ちから来ることが多いです。まずは、あなたの「できないこと」や「苦手なこと」を具体的に紙に書き出してみましょう。そして、「うん、これが今の自分なんだな」と、ありのままを受け入れる練習をします。
たとえば、「英語は苦手」「料理は得意じゃない」「細かい作業は向いてない」など、正直に書き出してみるのです。そして、誰かに聞かれたときに、まずは小さなことから正直に「ごめん、それ苦手なんだ」「それはできない」と言ってみる練習をしてみましょう。最初は勇気がいるかもしれませんが、案外、周りは気にしないものです。
2. 「不完全な自分」を受け入れてくれる人を見つける
信頼できる友人や家族に、あなたが完璧ではない部分や、見栄を張ってしまう自分の癖について、少しだけ話してみるのも有効です。あなたの「不完全な部分」も含めて受け入れてくれる人がいると知ることは、大きな安心感につながります。
アダルトチルドレンは、自分の弱みを見せることに恐怖を感じやすいですが、「弱みを見せても大丈夫」という成功体験を積むことが、見栄を張る必要性を減らします。
3. 他人と比較する癖に気づき、意識的にやめる
SNSなどで、他人のキラキラした部分ばかり見て、自分と比較していませんか?比較は、見栄を張る最大の燃料です。比較している自分に気づいたら、すぐにスマホを閉じる、あるいは「あの人はあの人、自分は自分」と心の中で唱えるなど、意識的に比較をやめる行動を取りましょう。
SNSを見る時間を減らすだけでも、この癖は改善されます。「他人は他人、自分は自分!」って、強く心に言い聞かせるのが大事だよ。
4. 小さな成功体験を積み重ねる
大きな成果ではなく、日常の些細なことでも構いません。自分で決めた小さな目標を達成する経験を積み重ねてみましょう。
- 朝、5分早く起きる
- 毎晩、寝る前に今日の感謝を3つ書き出す
- コンビニで店員さんに「ありがとう」と言う
こうした小さな成功体験は、「自分はできる」「自分には価値がある」という感覚を育み、見栄を張る必要性を内側から減らしてくれます。
5. 「承認欲求」の満たし方を変える
見栄を張る行為の裏には、人から認められたい、褒められたいという「承認欲求」が隠れています。この欲求自体は自然なものですが、その満たし方が問題なんです。
他人に褒められることだけでなく、自分自身で自分を褒める習慣をつけましょう。小さなことでも「よくやった!」「頑張ったね!」と、自分で自分を承認してあげるのです。また、成果ではなく、努力の過程や、ありのままの自分の存在そのものに価値を見出すように意識を変えていくと、他者からの承認に過度に依存しなくなります。
最後に
見栄を張ってしまうのは、あなたが弱いからではありません。特にアダルトチルドレンは、育った環境の中で「本当の自分では認められない」と感じる経験をしてきたからこそ、自分を良く見せようとしてしまうんです。これは、あなたが生き抜くために身につけた、いわば「生存戦略」だったのかもしれません。
でも、もう大丈夫です。あなたはありのままの自分で十分価値があり、愛される存在です。
見栄を張ってしまうのは、あるがままの自分を認めていない心理が原因です。そして、見栄を張り続けることは、知らず知らずのうちにあなたの自己肯定感を下げてしまいます。
今日から、少しずつで構いません。あなたの心の状態を見つめ、あるがままの自分で大丈夫だという心理状態になることで、見栄を張る必要もなくなっていきます。
偽りの自分を演じる苦しさから解放され、あなたが心から楽に生きられるようになることを願っています。