この記事ではこうした疑問にお答えします。
対人恐怖症で辛いときは、自分の物の見方、考え方によってよけいに辛くなってしまうことがあります。
この記事に書いている、「対人恐怖症で辛いときにやってはいけないこと」を読めば対人恐怖症で辛い状態が少し楽になるのでぜひ最後までお読みください。
対人恐怖症で辛い人がやってはいけないこと
自分は人から嫌われていると思い込む
対人恐怖症で辛いときはついつい自分が他人から嫌われていると思い込んでしまいます。
自分は嫌われているという根拠のない思い込みから、人が怖くなっていきます。
たとえば人に話しかけたときにそっけない態度をとられたとします。
自分がそっけなく扱われたとこに対して、「自分は嫌われてるからそっけない態度をとられる」と勝手に決めつけてしまいます。
落ち着いて考えてみるとそっけない態度をとられたからといって、必ずしも自分が嫌われてるとは断言できません。
相手も人間ですからたまたま虫の居所が悪かっただけの可能性もあります。
そっけない態度をされただけでは自分は嫌われてるとは言えないのに、「自分は嫌われている」と思い込んでしまいます。
こうした思い込みを繰り返すことで、事あるごとに自分は嫌われていると思うようになりますます人と接することが怖くなってしまいます。
「自分が嫌われている」と思い込むことは、対人恐怖症で辛い人がやってはいけないことです。
ポイント
- 果たして自分が嫌われてるのは事実だろうか?
- 自分が嫌われてる根拠は何か?
と考えてみることで、「自分が嫌われてる」という思い込みから少しずつ解放されていきます。
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何でも白か黒かの両極端で考える
何でも白か黒かの両極端で考えてしまうのもやってはいけないことです。
自分は白でなければ黒だと結論付けてしまうのはやめましょう。
白黒思考の人は、たとえば自分は完璧でなければダメだと極端に考えて自分を責めてしまいます。
完璧でなかったとしても、いきなり自分はダメと極端に考えてしまうと辛くなってしまいます。
白と黒の間にもあいまいな色はたくさんありますし、どちらかというとグレーなことのほうが多いのが現実です。
にもかかわらず何事も白黒はっきりさせようととするせいで、自分を苦しめてしまいます。
たとえば職場の同僚と口論をしてしまったとしましょう。
白黒思考の人は、「職場の同僚は私のことが嫌いだ」と自動的に考えてしまいます。
職場の同僚と口論してしまったことは事実ですが、だからといって「同僚が私を嫌い」とは言い切れないはずです。
もしかすると好きでもなければ嫌いでもないかもしれません。
にもかかわらず「同僚が私を嫌い」などと決めつけてしまえば、今後同僚と接することが辛くなってしまいます。
このように何でも白か黒かで極端に考えてしまうのは、自分を苦しめることになるため対人恐怖症で辛い人がやってはいけないことです。
○○すべきだと考えてしまう
○○すべきだと考えてしまうと、自分を苦しめることになってしまいます。
○○すべきという理想はあるものの、できない自分の現実とのギャップが苦しめる原因になってしまいます。
○○すべきだと無理に自分を追い込んでしまうと、人間ですからできないことの方が多いのでどんどん辛くなっていきます。
たとえば
- もっとメールを速く返信すべきだった
- あんなこと言うべきではなかった
- 苦しくても我慢するべき
- 親の言うことには従うべき
- 辛いことがあっても明るくふるまうべき
など○○すべきと考えるのは結果的に自分を責める結果になってしまいます。
いくら○○すべきと理想を掲げても、柔軟に対応したほうがいいことも現実にはたくさんあります。
○○すべきと自分を追い込み過ぎるのは、対人恐怖症がやってはいけない考え方の一つです。
自己批判してしまう
自己批判は対人恐怖症で辛い人がやってはいけない考え方です。
何か思い通りにならないことがあったときに、自己批判をして自分を責めるのはやめましょう。
自己批判をすればするほど、自分に自信がなくなり人と関わることが怖くなってしまいます。
誰かと接して良くないことがあれば、また自己批判して自分が傷つくのではないかと不安になるからです。
たとえば何人かのチームで仕事をしていて、思ったような成果が出なかったとします。
チームで仕事をしているので、うまくいかなかったとすればチーム全員に責任はあります。
けれども自己批判をする考え方の癖があると、うまくいかなかったのはすべて自分のせいだと思い込んでしまいます。
自分の落ち度を探してきては過大に考えて、自己批判を繰り返してしまいます。
自己批判を繰り返すうちに仕事がうまくいかなかったのは全て自分のせいだと自己暗示にかけてしまいます。
ちゃんと事実に基づいて考えてみると、すべてが自分のせいという考えは根拠がありません。
仮に自分に落ち度があったとしても、自己批判をせずに解決案を考えるほうが現実的です。
自己批判をしても何もいいことはありません。
特に対人恐怖症で辛いときは、自己批判する根拠が正しいかどうかを検証してみましょう。
相手の気持ちを深読みしてしまう
根拠もないのに相手の気持ちを深読みしてしまうのも、対人恐怖症で辛い人がやってはいけない考え方です。
読めるはずもない相手の気持ちを深読みしようとすると、相手の気持ちをネガティブに考えて自分が苦しくなってしまいます。
相手の気持ちを深読みしようとすると、たいていはマイナスのことしか思い浮かびません。
夫婦ですらお互いの気持ちを理解するのは難しいのに、ましてや他人の気持ちなどわかるはずもありません。
それなのに相手の気持ちを深読みして心が辛くなることを繰り返してしまいます。
相手の気持ちを深読みして推測しても、あくまで予測であって根拠など何もありません。
たとえば職場の上司が自分に頼むはずだった仕事を他の誰かに振り分けたとします。
相手の気持ちをついつい深読みしてしまうと、上司は自分のことを信頼してないから他の人に頼んだのだと考えてしまいます。
けれども自分のことを信頼しているかどうかは上司に聞いてみないとわかりません。
上司はたまたまこちらが忙しそうにしているのを見て、気を聞かせて別の人に頼んだだけかもしれないのです。
相手の気持ちを深読みし過ぎてしまうと、根拠もないのに自分を責めて苦しくなってしまいます。
対人恐怖症で辛いときは相手の気持ちを深読みするのは、やってはいけない考え方の一つです。
将来を悲観的に先読みしてしまう
将来を悲観的に先読みしてしまうのも、対人恐怖症でやってはいけない考え方です。
どうなるかわからない先のことを、根拠もないのについつい悲観的に考えてしまうと苦しくなってしまいます。
たとえばグループディスカッションをするときに、「自分は人とうまく話すことができない」と先読みしてしまうと身体に力が入ってよけいに話せなくなってしまいます。
こうした経験から「次も同じようにはなせないのではないか」と先読みしてしまい、人とうまく話せない経験を繰り返すことになってしまいます。
最初は「自分はうまく話すことができない」という悲観的な先読みから始まったのですが、自分が予測したとおりになるのでますます悲観的な先読みを信じ込むことになります。
自分が将来を悲観的に先読みしたことを、先読みしたとおりに行動して失敗してしまいます。
将来を悲観的に先読みしそうになったときには、「本当にそうなのか?」と現実的に考えてみましょう。
「自分は人とうまく話すことができない」と思ったとしても、そう思う根拠は何なのかを冷静に判断します。
冷静に考えれば人とうまく話すことができたこともあるはずです。
冷静に考えれば起こってもない未来を悲観的に考える根拠などないはずです。
対人恐怖症で辛いときは、将来を悲観的に考えるのもやってはいけない考え方です。
さらにくわしく勉強したい人は大野裕先生の本がオススメです。
対人恐怖症の特徴的な考え方がよくわかる本になっているので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
対人恐怖症で辛いときにやってはいけないことをご紹介しましたが、すべてに物の見方、考え方になっています。
ものの見方、考え方にアプローチする方法は認知行動療法と呼ばれていて、対人恐怖症を克服するために有効な方法とされています。
対人恐怖症で辛いときは、やってはいけない物の見方や考え方になっていないかに気づくことで少しずつ改善していきます。
物の見方、考え方は自分の癖になっているので最初は気づきにくいですがやっていくうちにだんだん慣れてきます。
より柔軟な物の見方、考え方を身につけて対人恐怖症を克服していきましょう。