「嫌われている」と思い込んでしまうあなたへ
人付き合いの中で、「あの人、私のこと嫌ってるかも」と感じてしまうことはありませんか?
たとえば、挨拶を返されなかっただけで落ち込んだり、少しよそよそしい態度をされただけで「自分は嫌われている」と確信してしまったり。

思い込んでしまいます
こうした被害的な思い込みは、アダルトチルドレンに多く見られる特徴のひとつです。
幼少期に親からの否定や拒絶を繰り返し経験した人ほど、大人になっても「自分は受け入れられない存在だ」と信じ込みやすくなります。
でも、それって本当なのでしょうか?
なぜ「嫌われている」と思い込んでしまうのか
脳は“省エネ”のために思い込みを使う
人間の脳は、膨大な情報を処理するために、過去の経験から「予測」を立てて現実を解釈しています。
その予測がいわゆる“思い込み”です。
これはすべての人に備わっている脳の仕組みで、ある意味ではとても合理的。
でもこの仕組みが過剰に働いてしまうと、根拠のないネガティブな仮説に縛られるようになります。
アダルトチルドレンは否定的な予測をしやすい
特にアダルトチルドレンのように、幼少期に「どうせ自分は愛されない」と感じる経験を多くしてきた人は、「嫌われる」ことを当然の結末として予測しがちです。
思い込み=事実ではなく、あくまで“仮説”
思い込みと事実を分けて考える
「自分は人に嫌われている」
「相手はきっと自分を見下している」
「私は人付き合いが苦手だ」
これらはすべて、客観的な事実ではなく、あなた自身の中にある“仮説”です。
反証に目を向けてみよう
そして、仮説には反証(それを否定する事例)が必ず存在します。
たとえば、あなたを信頼して相談してくれる人や、笑顔で話しかけてくれる同僚はいませんか?
そうした事例に目を向けてみると、「嫌われているかもしれない」という仮説は揺らいでいくのです。
他人の“思い込み”を観察してみると、視野が広がる
他人の口ぐせや思考パターンに注目してみよう
自分の思い込みはなかなか客観視できません。
ですが、他人の思い込みは冷静に見えることが多いですよね。
他人の思い込みから自分を見直すヒントを得る
たとえば、職場の人が「上司は自分を評価していない」といつも言っていたとして、本当にそうなのか?と疑問に思ったことはありませんか?
他人の思い込みを見つめることは、自分の思い込みを見直すヒントになります。
思い込みを書き出して反証してみよう
ネガティブな仮説を書き出してみる
「私は嫌われている」と思ってしまうなら、それを紙に書いてみましょう。
書き出すことで客観性を取り戻す
そのあとに、「でも実際はどうだろう?」と問いかけて、反対の証拠や事実を探してみます。
たとえば:
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たまにご飯に誘ってくれる友人がいる
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仕事を任せてもらえたことがある
-
道で話しかけられてうれしかった
こうした“反証データ”が集まってくると、「自分は嫌われている」という思い込みは少しずつ弱まっていきます。
アダルトチルドレンの思い込みは“過去の防衛手段”だった
思い込みはかつてあなたを守ってくれた
アダルトチルドレンの多くは、子ども時代に否定された経験から「嫌われないように」と自分を抑えて生きてきました。
その延長線上で「どうせ自分は嫌われる」という思い込みが身についたとしても、それは生き延びるために必要だった“心の防御”だったのです。
でも、今のあなたに必要な思考ですか?
でも今はもう、当時の環境とは違います。
その思い込みは、本当に今のあなたに必要でしょうか?
最後に:自分を嫌わないことからはじめよう
自分への否定感に気づいてあげる
「自分は嫌われている」と思い込んでしまう人に必要なのは、まず自分を嫌わないこと。
アダルトチルドレンの方は、どうしても自己否定が強くなりやすいですが、自分に対して「それはただの思い込みかも?」と一歩引いて見てあげることが、回復への第一歩です。
思い込みを手放すプロセスは少しずつでOK
完璧じゃなくてもいい。
うまく話せなくてもいい。
ときには自分にツッコミを入れるくらい、ゆるく付き合ってみましょう。
あなたの思い込みは、ゆっくり時間をかけて変えていくことができます。
そしてその過程で、「嫌われている」と感じる頻度も、きっと少しずつ減っていくはずです。