仕事を人に任せるときに望む結果、すなわち何をいつまでに達成するのかを明確にしておくことは非常に重要です。
望む結果があいまいだとあいまいな結果しか生み出さないため結局は自分で仕事をコントロールしなければならなくなってしまいます。
人に仕事を任せるということは、おおむね自分でやったほうが良い成果が出せることが多いのですが全部を自分でやろうとしてしまうと時間がいくらあっても足りません。
また、人に仕事を任せなければいつまでたっても自分の周りの人間が成長することはありません。
このように、自分の時間を生み出すためにも人に仕事を任せて自分の周りの人が自分に近いクオリティで仕事ができるようになってもらうことが理想なのですが、そのために必要なのが望む結果を明確にしておくことなのです。
例えば、上司が部下に「今度の会議資料を準備しておいて」という指示を出したとします。
部下は言葉どおりに今度の会議資料を人数分コピーして上司に持っていくのですが、上司は単に資料をコピーするだけでなくホッチキスで留めて封筒に入れておくところまでを期待していました。部下は上司が指示したとおりの仕事を仕上げてきたのですが、上司は「そんなことまで指示しないといけないのか」と部下を叱りつけてしまうことになってしまいます。
これは「会議資料を準備する」という仕事の結果が上司と部下では認識の相違があったということになります。
お互いが望む結果が違っていると出来上がってくる結果も当然ながら違ったものになってくるのです。
上司は部下に仕事を任せる段階で単に会議資料を準備するという状態がどの程度の結果を望んでいるのかを明確に示しておく必要があります。
望む結果を明確にしておけば、そのうえで上司と部下の間で望む結果に対して合意がなされれば期限内に望む結果である「会議資料の準備」ができあがってくることになります。
このように、人に仕事を任せて失敗する場合は最初に仕事を任せる時点で、どのような仕事の結果を望んでいるのかがあいまいになっていることがほとんどです。
本人たちの間で望む結果に齟齬がある状態で仕事を進めていってしまうと出来上がってくる結果もお互いが合意できないものになってしまいます。
つまり、最初の段階で望む結果を明確にしておくことであとは結果に対しての報告を求めることをしておけばある程度本人の裁量で仕事を進めることができるようになります。
仮に望む結果を明確にしていて望む結果を得れなかった場合には、プロセスを修正するか上司のサポートを増やすかしてPDCAを回していけばいずれ望む結果が出せるように部下が育っていくようになります。
まずは、仕事を人に任せるときは望む結果をあいまいにせず必ず何をいつまでに達成するのかを明確にしておくことが最初のスタートといえます。
まとめ
人に仕事を任せるときには望む結果、何をいつまでに達成するのかを明確にして合意を取る必要がある
望む結果があいまいなままだと、でてくる結果も必然的にあいまいになるもの
望む結果を明確にしておくことで、あとは仕事を人に任せ相手を助けながら責任に対する報告を聞くことで管理をする必要がなくなる