「自分の話なんて誰も興味がない」――そう考えてしまうあなたは、もしかしたらアダルトチルドレンかもしれませんね。
せっかく一生懸命話しているのに、相手が興味なさそうに聞いていると、確かに辛いし、話すのが億劫になる気持ち、よくわかります。
でもね、自分の話は誰も興味がないなんて、ちょっと言い過ぎです。もちろん、すべての人があなたの話に前のめりで興味を持つわけじゃない。だけど、興味を持って真剣に聞いてくれる人は必ずいます。なぜならあなたにしか経験していないことや、あなたなりの考えは、他人にとって価値のある「情報」や「視点」になるから。
アダルトチルドレンは、過去の経験から「自分の話はつまらない」「どうせ誰も聞いてくれない」といった思い込みを強く持ちやすい傾向があります。幼少期に自分の話を聞いてもらえなかったり、意見を否定されたりした経験が、大人になってからも「自分の話は無価値だ」という感覚に繋がってしまいます。これが、自分の話をすることへの強い苦手意識の根源となることが多いです。
「自分の話なんてどうせ誰も興味ない」って卑屈に思ってるとしたら、ちょっとだけ考え直してください。その思い込み、本当に正しいですか?
アダルトチルドレンが自分の話を苦手だと感じる心理背景
アダルトチルドレンが自分の話を苦手だと感じるのは、決してあなたの性格が悪いわけじゃない。そこには、アダルトチルドレン特有の心理的な背景が深く関わっています。
幼少期の経験が苦手意識の根源に
アダルトチルドレンの多くは、機能不全家族の中で育っています。そこでは、子どもが自分の話をする機会が少なかったり、話しても否定されたり、無視されたりすることが少なくありませんでした。例えば、「そんなことより勉強しなさい!」とか、「お前には関係ない!」なんて言われた経験があるかもしれませんね。
このような環境で育つと、「自分の話をしても無駄だ」「話しても誰も聞いてくれない」という学習が刷り込まれてしまいます。その結果、大人になってからも、自分の話をすることに対して強いブレーキがかかり、苦手意識を抱くようになるんや。
「完璧な話」を求めすぎるアダルトチルドレン
アダルトチルドレンの中には、「完璧な話」や「面白い話」をしなければならないというプレッシャーを自分に課してしまう人が少なくありません。
できないことをやろうと思うから、かえって話すのが億劫になってしまう。これは、アダルトチルドレンが持つ「完璧主義」の傾向とも深く結びついています。失敗を恐れるあまり、最初から「話す」という行動自体を避けてしまう。
心理学では、これを「回避行動」と呼びます。不安や恐怖を感じる状況から逃れるために、その行動自体を避けてしまう。自分の話をすることが不安だから、最初からしない、という選択をしてしまうのです。
「つまらない人間だと思われたくない」という恐れ
アダルトチルドレンは、他者からの評価に敏感な傾向があります。「自分の話が面白くなかったらどうしよう」「つまらない人間だと思われたらどうしよう」という恐れが、話すことへの強い抵抗を生み出します。
これだけは覚えておいてほしいのですが、あなたの話が面白かろうが面白くなかろうが、あなたと言う人間の価値は何も変わりません。
だけど、もし自分の話で周りが白けてしまったら、落ち込む気持ちもよくわかります。
仮に自分の話は面白くないと言われたとしても、自己否定までする必要ないのです。自分という人間が面白くないんじゃなくて、単にその時の会話に誰も興味を持たなかっただけの話。
アダルトチルドレンは、自分の話がうまくいかないと、すぐに自分自身の人格まで否定してしまう傾向があるから、特に注意が必要です。
アダルトチルドレンが自分の話を苦手から克服するための具体的なステップ
アダルトチルドレンが自分の話をすることへの苦手意識を克服するためには、いくつかの具体的なステップを踏むことが有効です。
1. 「完璧でなくていい」という許可を自分に与える
まずは、「面白い話をしなければならない」「完璧に話さなければならない」というプレッシャーから自分を解放してあげましょう。プロのコメディアンでもないのに、自分の話に興味を持ってもらえないなんて当たり前。それは「ないものねだり」というものです。
20世紀最高のバスケットボール指導者、ジョン・ロバート・ウッデンはこんな言葉を残しています。
できないことに気を取られずに、 できることをやりなさい。
できないことを目指すんじゃなくて、純粋に会話を楽しめばいい。相手が自分の話に興味がないなら、それはそれでいい。アダルトチルドレンは、とかく「こうあるべき」という理想像に縛られがちですが、まずはその縛りを緩めてあげることが大切です。
小さな成功体験を積み重ねる
いきなり長話をする必要はありません。まずは、ごく身近な人に、短い自分の話をしてみることから始めましょう。例えば、今日のランチのこと、最近見た映画の感想など、他愛もないことで構いません。
そして、相手が少しでも耳を傾けてくれたら、それは立派な成功体験です。アダルトチルドレンは、小さな成功を見過ごしがちですが、この小さな積み重ねが苦手意識を克服するための大きな力になります。
「聞き上手」になることから始める
自分の話をするのが苦手なら、まずは「聞き上手」になることから始めてみるのもいい方法です。相手の話に耳を傾け、共感し、質問をすることで、会話のキャッチボールは自然と生まれます。相手が安心して話せる環境を作ってあげれば、不思議と相手もあなたの話に興味を持ってくれるようになるもんやで。
アダルトチルドレンの中には、相手の反応を気にしすぎて、話すことに集中できない人もいます。まずは相手に焦点を当てることで、自分の話へのプレッシャーを軽減することができます。
4. 安全な場所で練習する
信頼できる友人や家族、あるいはカウンセリングの場で、自分の話をする練習をしてみましょう。安全な環境であれば、失敗を恐れることなく、自由に自分の話をすることができます。心理カウンセラーは、あなたが安心して話せる場を提供し、あなたの自分の話に対する苦手意識を和らげるためのサポートをしてくれるはずやで。
アダルトチルドレンが抱える「自分の話は無価値だ」という信念は、根深いものですが、専門家のサポートを得ることで、少しずつその信念を書き換えていくことができます。
5. 自己肯定感を高める努力をする
アダルトチルドレンの自分の話に対する苦手意識の背景には、自己肯定感の低さがあります。「どうせ自分の話なんて価値がない」という思い込みは、自己肯定感の低さからくるもの。
日頃から、自分の話の内容に関わらず、ありのままの自分を受け入れる練習をしましょう。自分の話がうまくできなかったとしても、「まぁ、そんなこともあるよね」と自分を許してあげることが大切です。自己肯定感が高まれば、自分の話をすることへの抵抗も自然と減っていくはずです。
最後に
アダルトチルドレンにとって、自分の話をすることは、時に大きな壁のように感じられるかもしれません。しかし、「自分の話なんて誰も興味がない」というのは、必ずしも真実ではありません。世の中には、あなたの話に耳を傾け、興味を持ってくれる人が必ずいます。
大切なのは、「完璧な話」を目指すのではなく、ありのままの自分の話をすることに慣れていくことです。そして、自分の話がうまくいかなかったとしても、自分自身を責めないこと。あなたは、自分の話の面白さに関わらず、十分に価値のある存在です。
この記事が、あなたが自分の話をすることへの苦手意識を少しでも和らげ、より豊かなコミュニケーションを築くための一歩となることを願っています。焦らず、自分のペースで、少しずつ自分の話をすることにチャレンジしてみてくださいね。