理由がわからないのに、不安になることはありませんか?
特に不安になるような出来事があったわけでもないのに、急に胸のあたりがざわざわしたり、気持ちが沈んだり…。
そんな経験、あなたにもあるのではないでしょうか?
まるで見えない敵と戦っているような感覚で、どうしたら落ち着くのかわからない。
不安を押し込めようとしても、ふとした瞬間にまた不安がこみ上げてくる。
「なんでこんなに不安なんだろう…?」と戸惑う方も少なくありません。

そしていつまでも理由もない不安が残ってしまう。どこまでいっても不安が追いかけてくるので不安な気持ちが消えることはなかったですね
この「理由のわからない不安」の正体。
もしかするとそれは、子どもの頃に心の奥に閉じ込めた不安が、今になって顔を出してきているのかもしれません。
アダルトチルドレンが感じやすい「見捨てられ不安」
アダルトチルドレンの方は、幼少期に親からの愛情や安心感を十分に受けられなかった経験が多くあります。
その中でも特に深く心に残りやすいのが、「見捨てられるかもしれない」という不安です。
小さな子どもにとって、親は生きるために絶対に必要な存在。
だからこそ、「親に嫌われるかもしれない」「拒絶されるかもしれない」という不安は、子どもの心にとっては“死の恐怖”にも似たものになります。
本来、親は「大丈夫だよ」と子どもの不安を受け止めてあげる存在ですが、
未熟な親である場合、逆に子どもの心を傷つけたり、不安を見て見ぬふりをしてしまったりします。
そんな環境で育った子どもは、
「本当の気持ちを出すと嫌われるかもしれない」
「自分は我慢しないといけない」
と、自分の感情を心の奥に押し込めるようになります。
押し込めた感情は、大人になっても残り続ける
子どもの頃に我慢して押し込めた感情や不安は、決してなくなったわけではありません。
心の奥底にしまいこまれたまま、大人になってからも影響を与え続けます。
たとえば…
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なんとなく不安で落ち着かない
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自分はこのままでいいのかと感じる
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周りの人が自分を見捨てるのではと怯える
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SNSの反応やLINEの返事が気になって仕方ない
こうした不安の背景には、アダルトチルドレン特有の見捨てられ不安があることが少なくありません。
「理由のない不安」は過去の記憶の“エコー”かもしれない
自分でも思い出せないほど昔のこと。
けれども心の中には確かに残っている記憶や感情。
大人になった今、ふとした拍子にその不安が再びよみがえることがあります。
たとえば上司に叱られた、友人に連絡が届かない、パートナーの態度が冷たい…そんな小さな出来事が、
過去の「見捨てられるかもしれない」という記憶を刺激するのです。
その瞬間、「自分は受け入れられていない」「このままじゃダメなんだ」といった根拠のない不安が爆発的に大きくなってしまう。
それはもう、まるで「心のタイムカプセル」が開いてしまったかのよう。
中に入っていた不安が、未処理のままの形で現れてきているのです。
小さな頃のあなたは、よくがんばってきた
ここで少し視点を変えてみましょう。
そんな見捨てられ不安を抱えながらも、あなたはこれまで一生懸命生きてきました。
本当は泣きたかったのに、怒りたかったのに、それを我慢して、親の顔色をうかがってきた。
そんな小さな自分の姿を想像してみてください。
――もう、それだけで本当に立派だと思います。
「今までありがとう」
「ずっとがんばってきたね」
そうやって自分の過去の痛みに目を向けて、やさしく語りかけること。
それは今のあなたの心の不安を少しずつ癒していく大切なステップです。
不安とうまく付き合うためにできること
では、今からできることは何でしょうか?
1. 不安に名前をつけてみる
「理由はわからないけど、なんだかさびしい」「捨てられた気がする」
そんなふうに感情に名前をつけてみると、自分の心の動きが整理されていきます。
2. 安心できる人と話してみる
信頼できる友人やカウンセラーなど、安全な人との対話は、封じ込めた不安を癒す力になります。
3. 小さな自分を思い出して寄り添う
不安なときには、心の中にいる小さな自分に「大丈夫だよ」と声をかけてあげましょう。
自分の中にある安心感を育てることが、不安への最大の処方箋になります。
最後に
理由のない不安に悩まされていると、「自分はおかしいのでは?」と思ってしまうことがあります。
けれどもその不安は、決して「おかしいこと」ではなく、子どもの頃に守れなかった心の叫びなのです。
アダルトチルドレンの多くは、見捨てられ不安を心の奥に抱えながら、大人としての顔を必死で作り上げて生きてきました。
だからこそ、今感じている不安は、かつての自分が感じた“生きるための感情”だったとも言えるのです。
不安をなくすことはすぐには難しいかもしれません。
でも、少しずつでも「自分を大切にする」ことで、心は確実に変わっていきます。
あなたはもう、ひとりではありません。
あなたの心に寄り添う力は、あなたの中にちゃんとあります。