問題を解決するにはまず問題そのものを特定する
問題を解決するときに、いったい自分は何の問題を解決しようとしているのかあらかじめ特定しておくことが重要です。
当たり前のことを言っていますが、この問題を特定せずに漠然と問題だと思っていることを解決しようとしてしまうことがよく起こります。
自分の中では何が問題なのかちゃんとわかっているつもりでも、改めて具体的にどの問題を解決しようとしているのかを具体的に特定しおくことが問題解決では最初のステップになります。
このステップをおろそかにしてしまうと、問題解決とは関係のない情報を延々と調べて時間を無駄に使ってしまったり問題解決とは関係ないことを延々と考えてしまうことになります。
例えば太りすぎという漠然とした問題に対して解決方法を考えるよりは、運動量を増やすべきか食事制限をするべきかで問題を特定して解決方法を考えたほうがより解決に近づきます。
仮に運動量を増やすべきかどうかに対して問題を特定したとします。
そうするとまず運動する習慣がある人とない人とで体重にどの程度の影響をもたらすのかを調べます。
最初の仮説では運動する習慣を持っている人はダイエットに成功しやすいという仮説が立ちますので、その仮説を裏付ける根拠を探していくことになります。
こうして太りすぎという漠然とした問題に対して改めて運動量を増やすことはダイエットに繋がるのかと問題を特定しなおすことでより解決のプロセスを導き出しやすくなります。
単に太りすぎという問題をどうしたら解決できるのかと考えているだけでは問題が大きすぎて解決までの具体的な方法が見つかりにくくなってしまいます。
ですから問題に対してまず大切なことは最初にどのような問題を解決するのかを具体的に特定することです。
問題を特定することができればあとは解決するための仮説を立てて検証していけば徐々に解決へと向かっていくことができるようになります。
問題の解決方法を考えるために枠組みを創る
ランチにカツ丼を食べるか豚カツを食べるかという問題に関して、どのように問題解決していけばいいのかを考えてみます。
まず問題を明確に特定すると、ランチはカツ丼か豚カツのどちらを選択するのがベストかということです。
この問題の特定を疎かにしてしまうと何を解決しようとしているかわからなくなってしまいます。
つまり自分はいったい何を食べようか迷っている状態です。
さてここでどのような切り口でこの問題を解決すればいいでしょうか。
多くの人はカツ丼の方が安いからとか豚カツの方が美味しいからと独自の切り口で考えるのが普通ですが、別の切り口を見落としている可能性があります。
論理的にランチをカツ丼か豚カツのどちらを選択すればいいのかを考えるときに、考えるための枠組みがあれば考えることが楽になります。
ここでいう枠組みの例として、価格、味、速さで考えてみます。
価格はどちらの方が安いのか?味はどちらの方が美味しいか?どちらの方が待ち時間が短いか?
などといったん枠組みを作って考えてみるとどちらを食べた方がいいのかを考える道筋ができます。
この枠組みを作ることを怠ってしまうと自分の思い込みだけで結論付けてしまったり、たまたま目に止まった情報だけで結論を出してしまいます。
例えば値段だけで検討して味だったり待ち時間を検討せずに結論を出してしまうことになります。
値段だけでなく他の枠組みも考えることによってより良い決断をすることができるようになります。
こうして問題を解決するために枠組みを作って考えることは、自分の限られた情報だけで問題を解決するのではなくより優れた解決方法を見つけるためにも必要なことです。
枠組みに対してはまず仮説を立ててから検証する
ランチでカツ丼を食べるか豚カツを食べるかという問いに対して、価格、味、速さの枠組みで検討するとします。
枠組みを検討するにあたりまずは仮説を立てて考えることが重要です。
仮説を立てて考えると考える方向性が出来上がるため無駄に情報収集する必要がなくなります。
また、仮説がなければいったい何を考えているのかわからなくなってしまうこともあります。
ですから、まずは枠組みに対して仮説を立ててから考えていきます。
例えば価格に関して考えを進めていこうとしたときに、いったん価格はカツ丼の方が安いのではないかという仮説を立ててみます。
こうしてカツ丼の方が安いのではないかと仮説が立つと、その仮説が正しいかどうか情報収集すればいいので闇雲にカツ丼について情報収集するよりはよほど効率良くなります。
実際にカツ丼の方が安ければカツ丼は豚カツよりも安いので価格面ではカツ丼を選ぶべきと結論づけることができます。
こうして一つの枠組みに対して結論を導き出すことができれば、ランチにカツ丼を食べるか豚カツを食べるかの意思決定をする際の判断材料にすることができるようになります。
枠組みに対して仮説を立て、検証してみることで解決のためのより有益な判断材料を手に入れることができるようになります。
誤った仮説を疑って修正する
頭の中で思考を進めるときに自分では気づかないうちに得られた情報から何らかの仮説を導き出しています。
情報を得てからこれまでの自分の経験則のフィルターにかけて得た情報から自動的に仮説が生まれてくる仕組みです。
例えば、これから会社の中でリストラが始まるという情報を得たとします。そうすると頭の中で自分はダメな社員だというフィルターにかかっておそらく自分はリストラの対象になるだろうという仮説が自動的に生まれてきます。
こうした情報から仮説を生み出すプロセスは誰しもやっていることではありますが、こうして自動的に導き出された仮説が本当に正しいかどうかは検証しなければ間違った仮説を信じ込むことになってしまいます。
つまりこれから会社の中でリストラが始まるという情報を得て、自分はリストラの対象になるだろうという仮説自体を信じ込んでしまうとリストラ対象でないかもしれないのに焦って転職活動をして失敗してしまうことにもなりかねません。
ですから自動的に導き出された仮説に関しては本当に正しいかどうかを疑ってかかる必要がありません。
リストラの例でいくと、社内でリストラが始まるからといってこの時点では自分がリストラの対象になるとは決して言えないはずです。
得られた情報と仮説の間が成り立っているかどうかを論理的にチェックてみると自分の思考の癖から間違った仮説を導き出してしまっていることはよくあることです。
ですから何かの情報を得た際に導き出された仮説に対して本当にそうか?何故そうなのか?と論理的に成り立っているかチェックを重ねてみる必要があります。
- 社内でリストラが始まるとして自分が対象になると仮説が立ったとしても本当にそうか?何故そうか?と疑ってみたときに必ずしもその仮説が当たっているとは言えないことがわかります。
そうしなければいつまでも自分の間違ったフィルターから間違った仮説を導き出すことになってしまいます。
自分の仮説は間違っている可能性があると疑ってかかることで誤った思考を防ぐことができるようになります。